お恥ずかしながら、私は小学高学年までおねしょをしていました。
おねしょが原因で病院にかかったことはなく、自然完治しましたが、大人になってから『夜尿症』の存在を知り、過去の自分が重なりました。
夜尿症については外部サイトをご覧ください。
➡【夜尿症ナビ】
同じく夜尿症で悩む親子に向けて、『子供の悩み・子供へのかかわり方・対策方法など』をご紹介します。
医学的な話はなるべく省き、自分の経験談中心です。
特に夜尿症に悩む親さんには、悩む子供のリアルな意見を知っていただければ幸いです。
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【目次】好きな見出しに飛ぶ
中学生まで悩んだ夜尿症が子供にもたらすストレス
夜尿症は自己コントロールができない
おねしょが治らなくて一番悩んでいるのは間違いなく、本人自身です。
寝ている間におねしょをしている。
しかも、気づけない。
この辛さは本人にしかわかりません。
悪気あるいたずらなら「ごめんなさい」と謝ることにも納得できます。
しかし、夜尿症は悪気は一切なため謝るのは腑に落ちない行為になります。
自分は何に謝っているのか、何が悪いのかが理解できません。
本人も意図的におねしょすることを望んでいない。
これを親が理解してくれているかどうかで、子供の心の持ち様はずいぶん大きく変わります。
不安やストレスに寄り添ってくれない親
私はおねしょをすると、よく母親から叩かれていました。
おしりとか足とか、主に下半身ですね。
今だったら「体罰」になるんじゃないか?(笑)
幼稚園児の時は母も「仕方なし」という感じでしたが、小学生に上がってもおねしょが治らないので体罰の頻度は増えたように感じます。
単純に嫌でしたね。
「躾」というよりは、「感情をぶつけてくる」「叩けば何とかなると思っている」というのが子供心ながらに透けて見えるんです。
要は、『叱る』というよりは『怒る」感覚です。
先ほども言った通り、夜尿症は自己コントロールができないので「怒る」「叱る」「体罰」では絶対治りません。
子供の人格形成に悪影響でしかないのでやめましょう。
私のおねしょの頻度や時間帯

全くおねしょをしなくなったのは中学2年生ごろ
布団に地図を描くくらいのおねしょは小学6年生ごろでほぼなくなった
小学4年生までは週1~3回
おねしょをしやすい時間帯は朝方
幼児の頃はおねしょ頻度は多く、年を重ねるごとに徐々に回数が減っていきました。
ただ、完全におねしょをしなくなったのは中学生になってからと、かなり遅いです。
小学4年生までは最低週1はおねしょをしていて、2日連続とかも割と多かったですね。
時間帯で言えば、朝4時から6時と言った明け方が多め。
夜尿症は急に治るものではなく、おねしょの回数が徐々に減ってきます。
回数が減っていればいい方向に進んでいると思っていいと、過去の経験上感じます。
子供の心を殺す3つのNGワード

- なんで?
- どうして?
- ~なのに
例えば、
「なんでおねしょをしてるのに、気づかないの?」
「どうして寝る前にトイレに行ったのに、おしっこが出るの?」
「10歳にもなっておねしょする子はいないよ」
NG3ワードを使っている、もしくは似たニュアンスの言葉を使っているのなら即刻やめるべき。
もし、職場の上司や先輩、義理両親にこれらのワードを使って小言を言われたらどう感じますか?
「なんで?どうして?~なのに」と言われても、その答えを子供は持っていません。
ただの精神的追い詰めでしかなく、感情を子供にぶつけているだけにすぎません。
NGワードをかけられた幼児の私の場合
私は幼稚園年中ごろからNGワードを浴びて育ちました。
よく言われていた言葉と、当時4、5歳だった私の気持ちを紹介します。
Q=母
A=幼児の私
気が付いたらおねしょしちゃってるの。
赤ちゃんだっておしっこを泣いて教えてくれるよ。
どうしてだろう?
私は普通じゃないのかな……?
弟は叱られなくて羨ましいな。
子供からすると、ただただ空しく、悲しい言葉の数々でした。
これが日常化すると私は自分を責める癖がつき始めました。
『自分は弟以下。ダメな子なんだ。お母さんは怒ってばっかり。』
母が小言まじりに投げかけていた言葉も、私にとっては鋭いナイフのように幼い心を傷つけ続けました。
お漏らしで怒られ続けた結果、夜型生活になる子供

おねしょをしたくないなら、寝なきゃいい
怒られるのが好き!っていう子供はいません。
おねしょのたびに怒られるのが嫌すぎた結果、「極限まで夜更かしをする」という荒業を使うようになりました。
当時小学中学年くらいでした。
母はこんなことをしていたなんて気づかなかったでしょうね。
スマホもない時代で自室にテレビもなかったので、漫画を読んだり、天井を見つめて考え事をしたりして極限まで起きる。
睡魔との我慢比べです。
まぁ、いつかは寝落ちしてしまうんですが、深夜1~2時までは起きていたので睡眠時間は減りました。
おねしょの回数は……変わらず。(笑)
睡眠不足は夜尿症には逆効果です。
しっかり8~10時間の睡眠をとることが夜尿症には効果的と言われている中、逆の行動をとった次第ですね。
本当、お勧めしない対策方法だし、子供は親が思っている以上に真剣に悩んでいます。
夜尿症の原因「親からのストレス」「乱れた生活リズム」
心理的ストレスや睡眠のリズムが悪いと、抗利尿ホルモンに影響を与えると言われています。
通常は睡眠中に抗利尿ホルモンの分泌が増加し、尿量が昼間の6割程度に減少します。
また、自律神経の作用で、夜間の膀胱容量は昼間の1.5倍から2倍に増えます。
この2つの機能が未発達により夜尿が起こります。
抗利尿ホルモンの分泌がうまく行ってないと、尿意で夜目覚めることもあります。
つまり、当時の私は夜尿症になりやすい生活リズムとストレスを受けるという悪循環にいたわけです。
もし、夜中に子供が目覚めてしまうようなら抗利尿ホルモンの分泌不足かもしれません。
夜尿症完治や夜中目覚めに必要なのは、「十分な睡眠」と「ストレスフリー」です。
反抗的になるのは親の対応が原因

子供の狭い世界で絶対的権力者は『親』
親に責められると、子供の逃げ場は無くなる
自分を守るための最終手段が、親への反抗になる。
と、私は思います。
小学中学年の頃は『生まれてこなければよかった。必要ない子』と当たり前のように思うようになっていたんです。
ある種の悟りみたいな感じで、口ごたえをしたときに体を叩かれたとしても、「またか」ってな感じで無の境地でした。
子供は親を責めない
母親に反抗的な態度をとるものの、本心から「こんな体に産んだ親が悪い」なんて思ったことはありませんでした。
子供が反抗的な態度をとるようになったら、それは十分に理解してくれない親への不満が原因です。
子供を責める言動や改め、親から歩み寄り、「一緒に頑張ろうね」と声をかけて欲しい。
同じ目線に立って、夜尿症について一緒に悩んで欲しい。
そう思っていました。
お漏らしが原因で母と大喧嘩

産んでほしくなかった
たかがおねしょでそんなセリフ出てくる?と思うかもしれませんが、なります。
子供も辛いのですが、親もまたおねしょは労働的にも感情的にも辛くなるんです。
それは小学4年生で、2日連続でおねしょをした朝の出来事でした。
連日のおねしょで母親もイラっとしていたんでしょう。
あいにくの「なんで?どうして?」攻撃を吹っかけてきたので、私は母親の言葉を無視し続けていました。
だって、説明したところで理解してもらえない、答えもない、自分にはどうすることもできないからです。
その態度が気に食わなかったのか、私は腕を掴まれ脱衣所に引きずり込まれました。
それでもだんまりの私に、母の怒りがピークに達しました。
顔に強烈なビンタ。
過去に足やおしりを叩かれたことは何度もありましたが、顔は生まれて初めての事でした。
こっちはアムロ気取りですよ。
今まで我慢してきたことを凝縮し、母親にまくしたてるようにこう吐き捨てました。
『……いってーなぁ!!
誰が生んでくれって言ったよ!?
勝手にそっちが産んどいて、私だって(おねしょを)したくてしてるわけじゃねーんだよ!!
そんなに言われるなら、産んでほしくなかったわ!!』
黙って下唇をかみしめる母の口元を、今でも覚えています。
母を傷つけた罪悪感と、暴力で解決しようとする母への苛立ち、不甲斐なさなど様々な感情が入り混じった私は、母を押しのけ、ランドセルをかっさらい、外に出ました。
夜尿症に効く最大の治療薬『共感』

「大丈夫だよ」
「一緒に」

今日は残念だったけど、これからも寝る前にトイレ行ったりして、一緒に頑張ろうね。
理解を得られている、自分はここにいていいんだ。
そう思うだけで子供は安心して寝ることができます。
つまり、共感こそ最大の治療薬。
おねしょをしたことは叱っても、人間性までは否定しないのが重要です。
「一緒に」という一言は、「私はあなたの味方だよ」という思いも含まれていて、子供に伝わりやすいと思います。
私の唯一の理解者は祖父
「産んでほしくなかった事件」があった夏休み、私は家族で恒例の祖父母の家に遊びに行きました。
祖父は無口な人で、滅多に会話することはありませんでした。
そんな折、珍しくリビングで二人きりになったときがありました。
「誰かに理解してほしい」
「私を責めない人に話を聞いて欲しい」
そんな気持ちから祖父に、自分の気持ちを吐露しました。

おじいちゃんはそういうこと、あった?

……。
じいちゃんも小学生くらいまで、小便はなおりゃせんかったな。
青天の霹靂!
寝耳に水!!
鳩に豆鉄砲!!!
なにそれ、聞いたことない!!
祖父はそのまま畑へ行ってしまいましたが、私はすごく嬉しかったです。
じいちゃんも同じだった。
それだけでフッと肩の荷が下りた気がしました。
「自分だけじゃない」という安堵が大きかったのかもしれません。
共感も嬉しいですが、同じ境遇の人の話を見るだけでも心が救われます。
【実践済み】おねしょ対策5選と効果

≪やったほうが良い対策≫
就寝前にトイレに行く
就寝1時間前から水分を取らない
≪無駄に感じた対策≫
水の夢をみたら、おしっこしちゃダメて思いなさい
夜更かしをする
夜中に起こす
つまり、就寝前のトイレ対策はやったほうがいいし、睡眠を妨げるような対策は意味がないってことです。
『いかに尿を溜めないか』がおねしょ対策に繋がります。
就寝前のトイレや水分制限は効果はありますが、必ずしもおねしょをしないというわけではありません。
うちの親は夕食後に果物を剥いていたので、柿・メロン・スイカがあるのに制限されるのは苦痛でした。
子供が寝てから、こっそり食べる気配りが欲しいです。
最も理不尽だなと感じたのが「水の夢を見たら、おしっこしちゃダメって思う」というもの。
これは母がしょっちゅう私にかけていた言葉です。
無意味です。
最近の研究では、夢を見ない深い眠りの時でも排尿するという事が分かっています。
夜更かし作戦も、先に書いた通り、ホルモン分泌や自律神経の乱れに繋がるためデメリットしかありません。
夜中に起こすのも同様、睡眠の妨げになりますので控えましょう。
夜中に起こしてまでトイレに行かない方がいい理由

心や学力に直接関係するため
最近は睡眠に関する研究が進み、睡眠不足による影響が分かってきました。
睡眠不足になると、『攻撃性が高くなる』『注意力と学力の低下』に繋がります。
感情のコントロールがうまくできなくなり、慢性的イライラから攻撃的になり、被害妄想が強くなったりします。
注意力も散漫になるため、日常生活上のミスが増加。
情緒不安定で自己好転換は低下。
脳の修復が追い付かなくなり、「ぼーっとする」「物覚えが悪くなる」「気だるい」「思考停止になり周りに流されやすくなる」。
結果、学力や能力の低下に繋がります。
更には自律神経の乱れにより、めまい・吐き気・動機・肩こり・頭痛などの体調不良を引き起こします。
要は良いことなしなので、夜中に子供を起こすのはやめましょうね。
アメリカ国立睡眠財団では、年齢別の適切な睡眠時間を公表しています。
幼児期(3~5歳)で11~13時間
学童期(6~12歳)で9~13時間
思春期(14~17歳)8~10時間
親子が笑顔でいられる3つの必須アイテム

- オムツ・夜尿対策のパンツを使用
- おねしょのニオイ消しにクエン酸
- いつでも乾燥できる布団乾燥機
親がイライラする気持ちもわかります。
でも子供にぶつけてはいけません。
そういう時は「イライラしない環境」にすることが最善ではないでしょうか?
どうしたらイライラしなくて済むのかを考えましょう。
そこで、役立ってくれるアイテムをいくつかご紹介。
オムツ・夜尿対策のパンツを使用
親は洗濯物がない、子供は漏らしても叱られない。
親子が笑顔でいられる最強アイテムです。
小学生がオムツ!?と思うかもしれませんが、親の怒号を聞くよりははるかにマシ。
子供の理解が得られるなら、率先して使うべきアイテムです。
ジュニア用オムツ
オムツを嫌がる子には、夜尿症対策パンツがおすすめです。
ただ、オムツほどの吸水力はないのでちょい漏れくらいで使う事をおすすめします。
男の子用おねしょパンツ
男女兼用おねしょ用パンツ
おねしょのニオイ消しにクエン酸
おねしょにいきなり除菌や消臭スプレーをかけても、アンモニア臭は一切取れません。
逆に匂いが混ざって、より悪臭になることもあります。
アンモニア臭はアルカリ性なので、酸性であるクエン酸をかけることで中和反応が起きて臭いを落とすことができます。
おねしょにはまずクエン酸スプレーが効果的
クエン酸スプレーの作り方は簡単です。
スプレーボトルは100均で売っているもので構いません。
空のスプレーボトルに『水500mlとクエン酸25g』を入れて、よく振って混ぜるだけ。
常温でひと月は保存できます。
おねしょにクエン酸スプレーを吹きかけたら、タオルなどで水分をふき取ってください。
タオルは洗濯機に入れ洗います。
濯ぎ段階でクエン酸の粉末を入れれば、タオルのニオイも取れます。
アンモニア臭は放置すると、子供は恥ずかしい
夜尿症が完治してからも同じマットレスを使っていたのですが、あまりにおしっこ臭くて友田を自室に入れることができませんでした。
普通に乾かすだけで、消臭対策を一切してこなかったからです。
小中学校からはナイーブな問題も出てきます。
寝具の買い替えは手間もお金もかかりますから、普段からクエン酸で消臭することをおすすめします。
いつでも乾燥できる布団乾燥機
天候や時間に限らず、布団を乾かせる布団乾燥機はおねしょの強い味方です。
布団乾燥機1つあれば、セッティングしてあとは放置するだけ。
ダニ退治もできて一石二鳥です。
私のおすすめは『マットありタイプ』のもの。
隅々まで熱が行き渡るため、安定して布団を乾かすことができます。
マットあり布団乾燥機
マットなし布団乾燥機
小学生までお漏らしが治らない子供の親へ まとめ

- 夜尿症は自己コントロールが効かない
- なんで?どうして?~なのに。は子供の心を傷つけるワード
- 子供の世界の神様は『親』
- 親に怒られまくると子供は反抗的になる
- 夜尿症には親からの共感が最高の処方箋
- 就寝前のおねしょ対策は有効だが、睡眠中の対策は良いことがない
- 睡眠不足は子供の心も学力も低下するきっかけになる
- おねしょをしないよりも、おねしょをしてもイライラしない工夫をしよう

それは、親に不条理に怒られたから。
おねしょで一番悩んでいるのは本人です。
だからどうか、子供に寄り添って欲しいと思います。
あなたが夜尿症で悩んでいるなら、同志を見つけることで心が軽くなります。
「焦らず」「怒らず」「叱らず」「比べず」「親子で一緒に気長に頑張る」。
これが私が答えです。
必要なら小児科や泌尿器科に受診しましょう。