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この記事は19歳の愛猫を自宅で看取った備忘録記事です。
飼い猫が老猫を飼っている、最後の看取り方の参考にしたい方向けに残します。
やせ細った猫の写真がありますので見たくない方は読まないでください。
愛猫の紹介、リンパ腫の診断、自宅で看取るに至った経緯は前半記事をご覧ください。
【もくじ】
リンパ腫を患った猫の変化まとめ

12月5日の病院検査以降、ウシはいつもと変わらない生活を送りました。
食欲もあるし水もよく飲みます。
それでも徐々に体調の変化がありました。
ここでは看取る前日までの様子をまとめます。
ベランダに出るようになった
洗濯ものを干そうと掃き出し窓を開けるたびにやってきて外に出るようになりました。
12月で寒いよ。
脂肪がないから寒さが堪えるでしょ?
医師に相談すると、体調が悪い猫は代謝を落とすために寒いところに行きたがる傾向があると言われました。
ネットで調べても死期が近い猫は寒いところに行きたがるとあります。
行きたいのは仕方ないけど放っておくとずっと外にいるのは困ります。
体温を上げる体力がウシにはもうない。
低体温症で死ぬ可能性があります。
なので長くても5分程度で強制的に室内に入れました。
抱きかかえて外の景色を見せたりしましたね。
高カロリーな食事を心がける
医師からの少しでもカロリーの高いものを食べさせた方がいいと言われました。
普段からドライフードと猫缶を食べているうちの子たち。
いつも食べているたまの伝説シリーズの子猫用を試しに1缶与えてみました。
食べ比べさせたところ子猫缶のほうが美味しいらしい。
気に入って食べてくれることがわかったのでまとめ買いしました。
1日1缶をウシとクロウで半分ずつわけて与えました。
たまの伝説シリーズは余計なものが入っていないから安心。
食べてくれるならおすすめしたい猫フードです。
甘えん坊になる
ウシは甘え下手な子でした。
膝の上に行きたいんだろうけど来ない。
抱えて膝上に置おいてもすぐにどいちゃう。
年に1回申し訳程度に乗っかかるようなツンデレ猫です。
そんなツンデレ猫は亡くなる2週間前から超甘えん坊に変貌しました。
1日に2~3回は膝の上でくつろぎます。
むしろ膝の上に乗せろと鳴くほどでした。
とは言え、長くて10分くらいで移動したがるんですけどね。
ウシは抱っこだって苦手でした。
体調を崩してからは振りほどく力がないのか、まんざらでもないのかわかりませんが、抱っこを嫌がることなくさせてくれましたよ。
一番困った甘え方は私の後ろをついて回ること。
亡くなる前日まで私が動けば起きてついてきました。
「洗濯物とってきたらすぐ戻るからじっとしてて」と何度も繰り返したら、洗濯物のときだけはじっと待ってくれました。
他はずっとついて回るので抱っこする回数が増えました。
自宅で重度の貧血が起こる
1月8日の夜。
急に激しい嘔吐が始まり、泡を吹きながらの口呼吸。
車に乗ったときとまったく同じ症状です。
重度の貧血が起こったんだと直感しました。
立ち上がることはできず、しんどそうにその場に伏せるウシ。
もう死ぬかもしれないと思ったので母と旦那にテレビ電話を繋げました。
嘔吐の処理と倒れるときの支えになるくらいしか私にはできません。
30分くらいかけて徐々に落ち着きを取り戻しました。
これ以降、重度の貧血症状はでていません。
うすい血尿が出た
ウシの尿がややピンクっぽいことに気づきました。
3歳のときに尿路結石を患ったことがありますが、あの時は真っ赤な血尿でした。
鼻水くしゃみ、血尿の症状緩和
血尿と並行してくくしゃみと鼻水が出始めました。
始めに症状が出たのは鼻水。
この日は病院が休みだったので様子見。
翌日からくしゃみと涙が出始めました。
ズビズビ鼻がなってて呼吸しづらそうです。
鼻を動かして呼吸する尾翼呼吸にはなっていません。
とにかくしんどそう。
すぐに動物病院へ電話相談!
全体と顔のアップ動画、尿の写真をとって私だけ病院に向かいます。
サプリメントは貧血を和らげるための鉄分補給。
医師のすすめで飲ませることにしました。
くしゃみと鼻水は抗生物質で様子を見ることに。
免疫力が低下しているからウイルス性の猫風邪の可能性があるそうです。
涙に関しては痩せると顔の脂肪がなくなって眼球が凹み、涙が出やすくなる子もいると説明されました。
風邪が原因なら抗生物質で涙も止まるはず。
そして止血剤は血尿の症状ケア用。
酷くはないけど膀胱か尿道からわずかに出血しているか、ストレス性の血尿だろう、と。
ただ出血場所の特定ができないので止血剤で改善するか見ましょうという話でした。
錠剤は砕き、粉末はそのままおやつに混ぜて与えました。
(薬の使用方法はかかりつけ医に相談してください)
その日の夜。
くしゃみであまり寝れていないと思う。
手を置いたら頭をコトンとおいてじっとしてました。
服用4日目ですべての症状が改善しました。
1週間分の薬はひとまず飲み切ります。
排便が命がけ
筋力低下により排便が難しくなりました。
前から排泄時に後ろ足がフルフルしてることには気づいていましたが、フラフラするようになったのは1月に入ってからのこと。
トイレで踏ん張るけどなかなか出ない。
排便時にフラフラする体を私が支えるけど気に食わないみたい。
手を払いのけるように態勢を変えてしまいます。
また、排便しようと力み過ぎて嘔吐する回数が増えました。
猫は力み過ぎて吐くことが多いそうです。
トイレ以外でウンチをすることもありました。
出るなら床でもなんでもいいよ。
亡くなる1週間前には排便サポートを2回しました。
肛門からウンチが見えてるけどあともうひと踏ん張りが難しい。
そのまま室内を徘徊しながら何度も踏ん張るけど出ない。
疲れてウシが横になった瞬間、サッとペットシーツを敷いてウンチを優しく引っ張り出しました。
ポロポロっといくつか出るけど全部は出しきれません。
こんな感じでウシが踏ん張るのをやめるまで見守ったり、サポートしたり。
粗相をしたことがないウシだから内心ショックを受けてたかも。
落下・ケガ防止対策
生まれつき左足の関節が弱かったウシ。
さらに痩せて筋力がないので体が思うようにうまく動きません。
1年前から関節が弱っていることには気づいていました。
だからソファやキャットタワーへの道筋にはステップが置いてあります。
ただ、痩せるとキャットタワーで起き上がろうとしたらヨロけて落下する危険がありました。
見てて本当に危ない。
なのでパソコンデスクにキャットタワーをくっつけるように配置。
囲うことで落下防止になり、万が一落ちそうになっても私が受け止めれる。
でも感覚が昔のままなのかタワーから床に飛び降りるウシ。
少しでもおりやすいように広めの爪とぎを下に置きました。
ウシは動きたがります。
私ができるのはいかに段差を減らせるか、だけでした。
目が開きっぱなし
亡くなる3~4日前から目を閉じませんでした。
声をかけると反応はするので起きていると思います。
目線はぼーっとしてます。
ずっとこんな感じだから寝れてないのが心配でした。
でもこれが自然なんだろうと見守るしかできません。
亡くなる前日はいつも以上に水を飲んだ

こだわりがあるようでいつもの水飲み場の水は見向きもしません。
新鮮な水がいいんだろうと入れ替えてもダメ。
容器や場所を変えると少し飲みますがすぐに興味がなくなる。
そんなウシが気にしていたのがキッチンの流しでした。
元気なころは私の目を盗み、キッチンの水を飲んでいたのです。
多分、それがいいって言ってるっぽい。
なぜならキャットタワーからカウンターへジャンプしようとしているから。
元気な頃は飛べたけど今は絶対に床に落ちる。
危ないので抱っこしてカウンターへ移動させました。
おぼつかない足取りで流しに向かいます。
フラフラして危ない。
洗ってあったカップケーキの容器に水を入れて調理台においてあげました。
するとおいしそうに飲みました。
10分ほどかけて水を飲み、満足したっぽいのでカップケーキ容器とウシを床に下ろしました。
数十分後。
カタン!という音が聞こえました。
ウシがキャットタワーからカウンターに飛び乗ろうとジャンプして失敗して落下。
床に顔や顎をぶつけたと思います。
いつもは水を飲んだら30分はおとなしく横になってるのに。
先ほどと同じように抱っこ移動でカップケーキ容器の水をあげたけど飲みません。
別の容器にしたら飲みました。
しばらく経てばまたジャンプしようとする。
落下するのに諦めないウシ。
私が間に割り言って邪魔をしてもずっとカウンターを見つめます。
体はしんどいはずなのにどうしてそこまでやるのか。
今思えばこれが最後の水飲みでした。
自分らしく好きな場所で大好きな水を飲みたかったんだろうと考えます。
動けるうちは自分で動きたい。
これが彼の生きる尊厳だったように感じました。
寝たきりになったウシ

日曜の朝。
ウシは床に横たわっていました。
息子がいうにはいつも通り、ステップを使って机に上がろうとしたときに後ろ足がグニャっと曲がり倒れたそうです。
ピクリとも動かず、か細い声で鳴きます。
慌てて抱きかかえソファに寝かせました。
体がピクピク痙攣しています。
死期が迫ると痙攣すると見たことがあった私は単身赴任の旦那にテレビ電話を繋げました。
前足や首はかろうじて動かせているようですが後ろ足が動きません。
生まれつき悪かった左足の関節をかなり痛めたのでしょう。
床は所々汚れていて排泄を頑張った痕跡があります。
尿道を見るとおしっこが1滴ついていました。
膀胱がいっぱいでポタポタ出ている可能性がある。
まずはおしっこを出さなければいけないと考えました。
動物病院の営業まで2時間あります。
電話をしたところで今のウシを病院まで連れていく自信はありません。
赤ちゃんの頃と同じように尿道を刺激しておしっこするのが老猫に通用するのかわからず、ネットで検索すると圧迫排尿という方法を見つけました。
圧迫排尿とは言葉通り、膀胱を圧迫しておしっこを出します。
ただし慣れが必要で最悪の場合内臓を傷つける危険がありました。
他の方法がないから私がやるしかありません。
何本か動画を見て実践。
ソファでやってもうまいこと行きません。
旦那が「場所が嫌なんじゃない?」と。
なるほど。
ウシを抱え「トイレだよ」と声かけして床にペットシーツを敷き圧迫排尿をしました。
すると膀胱が膨らみ、ウシが自力で排泄しようとしているのがわかります。
それを手伝うように膀胱を圧迫。
シューっと一本線のおしっこが出ました。
やった!ウシ頑張ったね!
何も口にしなくなった
ホッと胸をなでおろし、水を飲ませることにしました。
元より水を飲む子ですが、リンパ腫の影響もあり1日に何度も水を飲んでました。
絶対のどが渇いているはず。
細いストローを使って口角から数滴水を流し入れる。
飲むかと思いきや反対の口から出るだけで飲まない。
というか、水を与えると嫌がって立ち上がろうとします。
おやつはどうだろう?
昨日まで喜んで食べていたおやつ。
匂いを嗅いでそっぽをそっぽを向きます。
しつこく口元にもっていくと立ち上がり拒否の姿勢を見せました。
気分じゃないから?
膀胱におしっこがあるから?
いろいろ自分で理由をつけて時間をあけて水とおやつを与えますが結果は同じ。
頑なに何も食べようとしません。
ウシが寿命を決めた瞬間でした。
11時以降は何も与えず、ただ排泄と寝返りのサポートのみ行いました。
家族に見守られながら息を引き取る

旦那は単身赴任で愛知にいます。
この週末は神奈川に帰ってくる日ではありません。
「今から家に行くよ」
すぐに身支度を始めました。
最寄り駅についたのは14時半のこと。
ウシは寝返りや排泄の要求をするのにか細く鳴きました。
朝からのピクピクする痙攣はずっと続いています。
翌日は仕事があるため旦那は20時に家を出なくてはいけません。
18時半過ぎ。
「お腹がすいていないからホットケーキでも焼くか」
旦那が調理し始めてしばらくするとウシの様子がおかしいことに気づきます。
そのとき私は寝室でひとり、嗚咽してました。
一番辛いウシの前で泣きたくありません。
(そろそろウシのおしっこを出さないとな……)
と思い、リビングに行くと旦那と息子がウシを眺めていました。
「呼びに行こうと思ってた。ウシの様子がおかしい。」
「ニ"ヤァッ……」
か細いけど少し野太い声で鳴くウシ。
おしっこが溜まっているのかと思った私はウシを抱えてトイレへ。
でもそうじゃないっぽい。
口から少し泡を吹いて呼吸が乱れていました。
あぁ、お別れが来るんだ。
いつも寝ていたキャットタワーにウシを下ろし、3人で見守ります。
ありがとう、大丈夫だよと声をかけました。
瞳孔が開いています。
手で鼓動を確かめますがわかりません。
体に直接耳を当てると、とても小さな心音がする。
痙攣する前足に自分の人差し指をひっかけて静かに声を掛けます。
瞬く間に呼吸が乱れ、無呼吸になってはカハッ!っと息を吹き返すようになりました。
2回目の無呼吸で旦那と息子が「ウシ」と名前を呼ぶと、苦しそうにまた息を吹き返します。
「名前を呼ぶのはやめよう。苦しみが長引くから。」
そう私が静止した次の無呼吸でウシは息を引き取りました。
10日前は2.65キロ。
力尽きたときの体重は1.8キロ。
ありがとうをいっぱい言えるほどの時間を用意してくれたウシ。
家族が集まる日に虹を渡ったウシ。
本当に賢い子です。
ウシが亡くなって1週間後に個別火葬をしました。
ペット火葬で悩んでいる方向けの内容です↓