
人生3大支出の1つ、『保険』。
実は無駄な保険料を、毎月支払っていませんか?
「保険貧乏」という言葉があるように、保険料で家計が赤字になっている家庭こそ、保険の選び方が間違っているのかもしれません。
今日は「保険を見直したい人」向けに、この3つだけ入っておけばオッケーという保険の種類をご紹介します。
保険選びの基礎が分かれば、あなたに必要な保険、不要な保険の判断ができるようになりますよ。
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【もくじ】
保険選びのコツ 数字と感情は別物

起こる確率は低いけど、もし起こったら路頭に迷うことになる。
だからみんなで少しずつお金を集めて、万が一が起こった人を金銭的に助ける仕組み。
何度も当ブログで書いていますが、要は不幸のギャンブルに備えるのが保険です。
「どんな時に路頭に迷うほどの困窮生活になるのか」を知っておけば、必要な保険は自ずと分かります。
『万が一に備えるのが保険って当たり前じゃん!当然のことを何言ってんの?』
その通りです。
当たり前の話なのに、「病気になったら不安だから」とか「もし自分が死んだらお金を残したいから」と必要のない保険に加入している人が多いと思いませんか?
例えば医療保険。
公的医療制度が充実していて、高額療養費制度のおかげで月額治療費に上限額があり、すぐさま困窮生活になるわけではないのに加入率は88%にも上ります。
他にも学資保険。
お金を増やしたいのが目的ですが、保険商品は本当に高利回りでしょうか?
数字で保険を選んで納得できているのなら、この記事を読んで得ることはありません。
逆に感情で保険を選んでいたなと感じるのであれば、あなたの家計はもっと楽になる余地があります。
あなたが一生懸命働いて稼いだお金を無駄にしないためにも、正しい保険選びの基準を知っておいて損はありません。
医療保険が不要な理由は、こちらの記事を参考にしてください。
本当に必要な3つの保険

- 火災保険
- 自動車保険(任意保険)
- 掛捨て生命保険(子供がいる世帯のみ)
火災保険はなぜ必要か
戸建て、賃貸。
どちらにも火災保険は必要です。
住宅ローンを組んで建てた家は、火災保険の加入は義務です。
ローンを完済した場合「質権設定抹消の手続き」をします。
質権設定とは、住宅ローン借入金の担保として、火災保険の保険金を請求する権利を渡しています。
要は家が火災で燃えたら、保険会社から借入先の金融会社に保険金が下り、住宅ローンは完済するってことです。
ローンを完済したため、それらを抹消するのが「質権設定抹消の手続き」という事です。
まとめると、金融会社も貸したお金が確実に回収できるようように、住宅ローンを組んでいる世帯には火災保険の加入が義務付けられている、というわけですね。
賃貸の火災保険は最初から落雷、水災、水漏れ、盗難などの補償もついているものが多くあります。
「火災保険」って名前だから震災や大きな事故の時しか使えないもの。
そう思っている方もいるでしょうが、実際は広い範囲で利用できます。
・水漏れが起きて下の階まで被害が及んだ
・転倒して床を凹ませた、窓ガラスを割ってしまった
・タバコのヤニで壁が汚れた
・子供が目を離した隙に壁に落書きをした、壁紙を破いてしまった、ふすまを破った
など。
偶然的な事故で、家主に損害を与えてしまった場合は補償対象です。
ただし、経年劣化によるものは対象外。
かく言う私も、過去に賃貸で洗面台から水漏れを発生させ、賃貸火災保険を利用したことがあります。
戸建て、賃貸どちらにせよ、火災保険は生活破綻するほどの賠償額を求められる可能性があるため必要な保険になります。
自動車保険はなぜ必要か
事故によって被害者を死亡させたり、後遺症が残った場合は軽く憶越えの賠償金が請求されます。
そんな大金を支払うことができますか?
事故は相手も場所も選べません。
車やバイクに乗っているなら、相手や自分を金銭的に助けるためにも任意保険の加入は必要です。
自賠責保険だけでは足りない可能性大。
任意保険未加入の危険性についてはこちらの記事で解説していますので、よろしければご覧ください。
掛捨て生命保険がなぜ子どもに必要か
親が死んで、一番困るのは「子ども」です。
教育費や生活費は生きていく上では必要不可欠。
しかし全額自分で用意する必要はありません。
なぜなら、国からの支援があるからです。
国民年金は加入が義務付けられていますが、加入者が死亡した場合「遺族基礎年金」を受け取ることができます。
扶養でも遺族基礎年金は受給できます。
つまり、専業主婦も対象。
(1)18歳までの子どもがいる場合
(2)年金加入期間が25年以上あり、厚生年金加入期間がある場合
以上の2つの条件を満たしていれば、受け取ることができます。
例えば子供が2人いた場合、ともに基礎額781,700円(令和2年4月分から)と子の加算分224,900円が上乗せされた1,006,600円が高校卒業まで支給され続けます。
第3子以降の子の加算は各75,000円になります。
しかも非課税。
さらに厚生年金に加入していれば「遺族厚生年金」も受給可能。
こちらは年収850万円(所得金額655.5万円)未満でなければ受給できません。
➡【遺族基礎年金・遺族厚生年金の詳細 日本年金機構公式HP】
国から支援してもらえることを知らないひと、知ってい入るけど実際どれくらいの金額なのかまでは知らないという方は、多いのではないでしょうか?
私たちは給料から毎月、多額の保険料を国に支払っています。
まずは公的保障を把握して、足りない部分を民間保険に頼りましょう。
掛捨てにする理由は補償はありつつ、コストが低いから。
積み立てとか、貯蓄型といった利回りが発生する保険は年率が悪い上に、「親が死亡した場合の子供への金銭を残したい」という本来の目的から「お金を増やす」という目的にすり替わっています。
利回りが発生するような保険は全て自分で年率計算してみましょう。
きっとゴミのような商品であることに気づけるはずです。
保険商品のパンフレットの利回りや、営業トークは30年間の利回りなど全期間の利回りであることが多く、1年間の利率に置き換えると1%もないなんてことはザラにあります。
つまり、万が一の補償も用意しつつ、無駄なお金を支払わないのが「掛捨て生命保険」ということです。
子供がいなければ、自分が死んでも金銭的に困る人はいないので必要ありません。
パートナーが死亡して、あなたが専業主婦(主夫)だったとしても、遺族厚生年金年金は5年間支給されるので、その間に自立して働けば金銭的に困ることはありません。
なぜ本当に必要な保険は3つだけなのか

起こる確率は低いけど、もし起こったら路頭に迷うことになる。
だからみんなで少しずつお金を集めて、万が一が起こった人を金銭的に助ける仕組み。
上記の役割を果たしている保険がこの3種だからです。
家がなくなり、ローンだけ残ってしまえば生活破綻。
賃貸で火災発生、原状回復に数千万円かかれば生活破綻。
だから火災保険に入りましょう。
車やバイクで相手を死亡させた、後遺症を残したとなれば相手が今後稼ぐはずだったお金の補償、遺族への慰謝料、弁護士費用、後遺症の介護費用。
事故では賠償金が億を超えるような額になることがあります。
だから自動車保険に入りましょう。
家族の稼ぎ頭、家族の世話をする人が亡くなった場合、子供の活費や教育費が公的補償では足りないかもしれない。
お金がなければ困るのは子供。
とはいえ、将来への貯蓄を万が一の保険に使ってしまうのは損になる。
だから掛捨て生命保険に入りましょう。
つまり、ある不幸な出来事による生活破綻を、保険によって金銭的に補償するという役割を3つの保険は果たしています。
保険貧乏の特徴

- とにかく将来のことが不安で保障を手厚くしてしまう
- 「周りが入っているから」「加入したら安心だから」と流される
- 小まめに保障内容を見直していない
- 社会保障の知識が乏しい
- 生命保険控除が目的でいろんな保険に加入している
- 保険が家計支出の最優先だと思っている
保険はあくまでも「生活破綻しないためのお守り」ですが、将来のことなんて誰にもわかりません。
ましてや、保険に加入したからと言って不老不死になるわけでもなければ、病気やケガをしない体になるわけでもありません。
あくまでもお金の部分で助けてくれるのが保険です。
「保険に加入さえできれば安心」「周りと一緒なら安心」というのは、あくまで感情論です。
よって、感情と数字は分け、数字でその保険が必要なのかを判断するのが最も安心できる保険の選び方です。
過剰な保障はいりません。
昔は必要だった保険金が、今はもっと少額で済むのなら保険を見直し、保険金と保険料を抑えることもできます。
ましてや、社会保障を抜きにして全部自分の家計で何とかしなければいけないという思い込みは、家計への負担が大きいです。
私たちは既に「国民年金」や「国民健康保険」という保険に加入しており、保険料も毎月給料から天引きされています。
折角支払っている保険ですから、賢く活用できるよう調べてみるのもいいですね。
保険貧乏に最もなりやすい人は、保険料の支払いが家計支出の中でも「削れないお金」と思っている方です。
努力して生活の質を下げたり、やりくりできたとしても、保険料が家計を圧迫している限り焼け石に水。
保険は人生の3大支出と言われるほど、高くつきます。
家計を見直すのは、ほかの誰でもないあなた自身です。
本当に必要な保険は3つ まとめ

- 保険は人生の中でもトップ3に入る支出である
- 「起こる確率は低いけど、もし起こったら路頭に迷うことになる。だからみんなで少しずつお金を集めて、万が一が起こった人を金銭的に助ける」これが保険の役割
- 保険を選ぶときは「感情」と「数字」を分けて考える
- 本当に必要な保険は「火災保険」「自動車保険」「掛捨て生命保険(子供がいる家庭のみ)
- この3つは保険の役割を果たしているから必要になる
- 社会保障も加味して足りない分を民間保険に頼ろう
- 保険貧乏にならないように自分と保険を見直そう
- 家計を見直すのはあなた自身しかいない

私も保険の勉強をするまでは、漠然と「結婚したら保険」「出産したら保険」なんて思っていました。
しかし、不要な保険を解約しても何も自分の生活は変わらなかったのです。
生活の質を落とすのは苦痛でも、保険の解約は非常に簡単で生活への支障もありません。
感情と数字を分けて考えるだけでも保険貧乏とサヨウナラできますよ。